2013年7月25日木曜日

グランドイリュージョン/Now You See Me

先日、丸の内ピカデリーで『ベルリンファイル』を観た際に初めて予告を観た。そこで初めて邦題が『グランドイリュージョン』だと知ったが、予告もなかなかキャッチ・マイ・アイズな仕上がりで、今夏の松竹東急系(でいいのか?今も)作品に人がそこそこ入れば今秋のスマッシュ・ヒットも見込めるかも!?とは淡い期待?有楽町マリオンは明らかに明と暗が真っ二つになりそうな、今夏。『モンスターズ・ユニバーシティー』『ポケモン』『真夏の方程式』の日劇に対して、ピカデリーはこれからだって『ローン・レンジャー』(これも本当は大いに期待されてたはずだったんだけど)という微妙な爆弾と『終戦のエンペラー』という手堅いながらも頭打ち確定な動員作。『パシフィック・リム』や『マン・オブ・スティール』はカルト的な人気は約束されながらも、メジャー感を演出しきれずに終わるのが目に見える・・・スタトレは今回なかなか本気出してるし、『ワールド・ウォーZ』もポテンシャル高そうだから、やっぱり今夏のマリオンの明暗はこのまま行ってしまうかも。

その『グランドイリュージョンNow You See Me)』、全米では6月初旬に公開され、2週目の『ワイルド・スピード EURO MISSION』には及ばずも、同週末に公開の『アフター・アース』には僅差で勝利するというスマッシュ・ヒット。正直、キャストもスタッフもその布陣を眺めてるだけでニヤけて来てしまう。

まず、キャスト。ラスベガスのステージでテクノロジー駆使の派手派手イリュージョニスト集団「フォー・ホースメン」のメンバーには、ジェシー・アイゼンバーグ、アイラ・フィッシャー、ウディ・ハレルソン、デイヴ・フランコ(ジェームズ・フランコの弟、『21ジャンプストリート』で準主役)。その強盗集団に立ち向かうFBI特別捜査官をマーク・ラファロが演じ、メラニー・ロランはインターポール!しかも、更には脇をマイケル・ケインとモーガン・フリーマンという『ダークナイト』の名重鎮コンビが固めるという!一般的にも豪華だけれど、個人的にも胃もたれ級なハイパー豪華キャスト!老若男女四方八方東西南北好き好きキャスト!!!

なんでこんな(豪華かつ私的極上俺得)キャスティングが可能かといえば、ソダーバーグ作品の近作(『コンテイジョン』『エイジェント・マロリー』『マジック・マイク』ほか!)におけるゴージャス・キャスティングの仕掛け人カルメン・キューバ(Carmen Cuba)がキャスティング・ディレクター。至極納得!

監督はルイ・レテリエ。『トランスポーター』の共同監督としてデビューし、続編では単独メガホン。『トランスポーター』シリーズは正直あまり好きではないが、その2作の合間に彼が監督した『ダニー・ザ・ドッグ』はかなり好き。そして前々作の『インクレディブル・ハルク』も大好き(前作にあたるのは『タイタンの戦い』・・・)なので、彼のフィルモでは一作おきに気に入るという法則。というわけで、今回は気に入る番!

ちなみに、ルイ・レテリエが撮った『インクレディブル・ハルク』でハルクを演ったエドワード・ノートンは『アベンジャーズ』では降板したものの、変わってハルクを演じたマーク・ラファロが『グランドイリュージョン』でルイ・レテリエとも組むという巡り合わせが何だか素敵。

IMDbでは7点台ながら、Rottenでは批評家50%未満の観客70%強。正直出来に関しては不安材料なくもないけど、そんな中でも期待を優先させたいのが脚本に参加しているボアズ・イェーキンの存在。彼は昨年随一の快作『SAFE/セイフ』の監督、そして脚本家!(ちなみに、今更認識したんだけど、彼は『タイタンズを忘れない』や『アップタウン・ガールズ』の監督でもあるのか。信頼できる!)

音楽はアクションやヒーローもので昨今安定の高揚演出家ブライアン・タイラー。彼の公式サイトを初めて訪れたけど、まさに映画音楽界の貴公子だ・・・UCLAとハーバードで学び、若くして(多分)デビュー、そして近年益々精力的に活躍、おまけにイケメン。『スカイライン-征服-』の製作に名を連ねていたりする(exective producer)なんてとこまで抜け目ないプロフィール、クール。

撮影はこれまでもルイ・レテリエと仕事をしているミッチェル・アムンドセン(Mitchell Amundsen)。数多の大作に関わってきた彼は、あの『ウォンテッド』(大好きなんです、スミマセン)の撮影も担当していた大好きカメラマン(のはず)。更には、ザック・スナイダーとタッグを組んできた(『SUPER 8』も手がけた)ラリー・フォン(Larry Fong)も撮影を担当してるらしい。これはアクロバティックなカメラワークにドキドキしちゃう(きっと)!

あと気になるのが「line producer」として記載されている「Yuki Suga」という日本人名。

何だか過剰な期待で早くも不安が増幅し始め中。日本公開までは未だ三ヶ月もあるんだね。観られる頃には長袖か。今年の東京国際映画祭最終日(10月25日金曜)に公開されるのか。ということは、特別招待作品とかの枠で「有料試写会」やるのかな。メラニー・ロランが来るならTIFFで観ちゃうかも。でも、そりゃないな。来るとしたらジェシーかな(2010年のTIFFオープニングが『ソーシャル・ネットワーク』で、その時にはゲストで来日してたっけ)。でも実際、『グランドイリュージョン』がオープニング作品になる可能性は低くなかったりするのかも。なぜなら、今年からTIFFのチェアマンには角川書店取締役相談役の椎名保が就任してるから(『グランド~』の配給は角川書店)。一昨年はチェアマンの依田巽(当時)がCEOを務めるギャガ配給の『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』がオープニング作品だったという最低な「実績」もあることだし(この年もオープニング上映が一般公開の一週間前というタイミング。そう考えると、10月25日公開というのも、そうしたシナリオの一部として決まった日付だったりするのだろうか)。ちなみに依田巽ってエイベックスの創業者(の一人?)でもあったんだね。元来は映画界のエイベックス的存在だったギャガの社長になるという展開も見事に「わかりやすい」。でも、そんな人が東京国際映画祭のヘッドだったのかと思うと、やっぱり「おかしくなる」のは宿命だったのかと今更痛感。せめて六本木開催だけはやめて欲しいものなんだが・・・。

と、話が逸れに逸れてしまったが、それでも楽しみ、『グランドイリュージョン』!