2013年7月19日金曜日

完成度と感性度の反比例

『モンスターズ・ユニバーシティー』を観た翌日に、ミゲル・ゴメス(Miguel Gomes)の長編処女作『自分に見合った顔(A Cara que Mereces)』を観た。抜群の完成度に唸った前者だが、余白も余地も残さぬ巧みには、もはや感性が入り混む隙は無い。完成度度外視な後者に戸惑いと朦朧の最中で僕は、荒ぶる全天候型感性に、どこから手をつけていいか、わからない。

ポエジーをひとかけら、ください。

そもそも舞台を「大学」に設定したというのを知ったとき、厭な予感が過ぎった『MU』。全く作品内容に切り込まない抽象礼賛躍ったコメント見かけては、懸念高まるMG一作目。M(ものすごく)U(優秀)な『モンスターズ・ユニバーシティー』、M(ものすごく)G(自慰)だった『自分に見合った顔』。結局どちらにもどこか勝手におぼえる「敗北」感。

ポエジーないは、僕のほう?

完成度を見極める客観性、感性度を決める主観性。どちらも自信がない僕は、どんな映画を観れば好い?好きな映画を観れば好い。好きに映画を観れば好い。だけど、クールに分析したい!やっぱり、シネフィル気取りたい!それでも誰もが、ラタトゥイユ