2013年5月20日月曜日

The Cinema Guild

イメージフォーラム・フェスティバル2013で上映された「リヴァイアサン」。冒頭で見覚えのあるロゴにニヤリとしてしまう。CINEMA GUILD。最近、米国Amazonから取り寄せたソフトでたびたびお目にかかる、その社名。しかも、「昔々、アナトリアで」や『ニーチェの馬』、オリヴェイラの「The Strange Case of Angelica」(アンゲロプロス『時の翼』といい同作といい、フランス映画社配給作品の劇場公開の行方やいかに・・・)といった極私的極上フィルムに限って(おまけに、いずれもBlu-rayを出してくれている)。

そのThe Cinema Guildは、ソフト販売は勿論、米国で作家性の強い外国語映画を数多く配給しているようだ。そのラインナップを見れば、フランスからはジャック・リヴェット、アニエス・ヴァルタ、ブノワ・ジャコ、アラン・コルノー、グザヴィエ・ボーヴォワなどの作品を紹介し、ラウル・ルイスからクリスティアン・ペツォールトやジョアン・ペドロ・ロドリゲス、タル・ベーラやアレクサンドル・ソクーロフ、ヌリ・ビルゲ・ジェイランの監督作なども配給してる。更には、ジャ・ジャンクーやホン・サンスといったアジア勢の作品まで積極的に取り上げてもいれば、勿論アメリカのインディペンデント作品の配給にも意欲的な姿勢が窺える。今年の私的ベスト・フィルムの1本であるベン・リヴァース『湖畔の二年間(Two Years at Sea)』(恵比寿映像祭で2回観て、爆音映画祭でも観る予定!)まで配給しているようだし、やっぱり私的相性もかなり好さそうな、The Cinema Guild。

現在公開中(米国で)の中には、ラウル・ルイスの遺作「向かいにある夜」があったり、「リヴァイアサン」があったりするのだが、未見の二作品への興味が高まる。

Shilton Ha Chok(The Law in These Parts)


O som ao redor(Neighboring Sounds)

とりわけ、「Neighboring Sounds」は是非観たい。早く観たいけど、今年のラテンビート映画祭で上映してくれそうな来もするし。ロッテルダムで国際批評家連盟賞を受賞するなど、昨年の映画祭ではあちこちで注目を集めた一本のよう。監督はブラジルのレシフェ生まれで、映画ジャーナリスト出身だとか。短編は数多く発表してきたものの、同作が初長編監督作。


ところで、The Cinema Guildが配給しているアラン・コルノー監督作は、「Stupeur et tremblements(Fear and Trembling)」。この作品、日本では劇場未公開ながら、フランス映画祭2003で上映されたらしい。それにしても、この年も来日ゲストが実に豪華(やはり横浜時代は盛大だったんだね・・・)。同作は、日本が舞台で、シルヴィー・テスチュがセザール賞を獲得していたりするものの、その内容からか日本の配給会社に買い手はなかったようで。そういうパターン、多すぎる気もする。日本万歳的なものは即座に食いつくくせに。(ま、どの国でも同じような傾向はあったりするのかな。)