2013年4月28日日曜日

LOVE展

六本木ヒルズ・森美術館10周年記念展として一昨日から始まった「LOVE展-アートにみる愛のかたち:シャガールから草間彌生、初音ミクまで」を覗いて来た。今月末までのチケットが手元にあったのと、イタリア映画祭の観賞作品の合間を埋めるため。

基本的に美術館には平日の空いていそうな時間帯を狙って赴き、まったりじっくり徘徊するのが我が慣例ながら、「LOVE展」はむしろ色んな人たちで賑わってる中で観て廻る方が「正しい」気もしたし。

それにしても、「10周年記念」でこの展覧会はないよな。おまけに、9月1日まで開催ってさ・・・夏休み終わるまでやってるんだよ。既視感にとらわれる作品のみならず、実際既視な作品も少なくないし(日本国内の美術館所蔵品もかなりある)、テーマがテーマだけに(大きすぎる故に)、何でもあてはまる=都合好く掻き集められる=とりあえず集められたものにもっともらしい言い訳考える・・・そんな素人パッチワークな失笑展覧会。「ネーム」的な不足感もさることながら、展示されている作品の実に面白くないこと、この上なし。元来、そうした傾向がなくもなかった「展望台に来た人のオプション」的色合が顕著になる一方の、森美術館

2008年に国立新美術館で開催された「アヴァンギャルド・チャイナ-〈中国当代美術〉二十年-」で観たジャン・シャオガンの画に再会したのは嬉しかったし(その時にはなかったかもしれぬ、沖縄県立博物館・美術館の所蔵作品はよかった)、唐突に心許なく置かれているロダンの「接吻」は「いつもの上野」から出張してきた場違い感が相対化の鮮度をアップ。草間彌生の新作「愛が呼んでいる」は、「撮影可」を謳っているものだから、ここぞとばかりに(観賞よりも)撮影にばかり精を出している観覧者が面白い。

見終わって残るのはLOVEじゃなく、むしろ虚無感、それも0(ラブ)。