2013年4月10日水曜日

ニュースルーム

『ソーシャル・ネットワーク』の脚本家が贈る 報道の裏側をスリリングに描いた社会派ドラマ

それが、WOWOWで放送が始まったアメリカのドラマ『ニュースルーム』(HBO)のコピー。当然、「アーロン・ソーキン」推しなわけで、観れば納得の「アーロン・ソーキン」節全開。ただし、なかなか強力なスタッフが、堅実ながらも新味にやや欠ける脚本を見事にアシスト。

第1話の監督を務めたのは、。『スーパーバッド 童貞ウォーズ』『アドベンチャーランドへようこそ』『宇宙人ポール』のグレッグ・モットーラ。彼はプロ-デューサーにも名を連ね、シーズン1では他にも第3話と第10話(最終話)で監督を務めている。確かに「社会派」「ジャーナリズム」といったキーワードに関心を示しそうな層にアピールするフィルモの持ち主じゃなかろうが、旬な人だけにスルーするのはもったいない。

更に注目は第7話の監督、ジョシュア・マーストン。『そして、ひと粒のひかり』が多くの映画祭(ベルリンでは女優賞)・映画賞(アカデミー主演女優賞ノミネートなど)で高い評価を得た後、オムニバス映画『ニューヨーク、アイラブユー』にも参加。2011年のベルリン国際映画祭脚本賞を受賞した『The Forgiveness of Blood』(クライテリオンからBlu-rayも発売!)も高評価を得た気鋭。

トーマス・ニューマンによるテーマ曲は映画的高揚感をさりげなく演出し、『スラムドッグ$ミリオネア』の彼(フリーダ・ピントとまだ付き合ってるのだろうか)が出てたり、プロデューサー陣にスコット・ルーディンの名を見つけたり、私のようなミーハーな映画ファンにも気軽にウキウキできる適度な仕様。登場人物の恋愛模様的展開や、人間ドラマ的スパイスも随所に効かせられそうで、HBO制作のドラマにしては珍しく(?)爽快な「軽やかさ」を以て毎回見終えられそうなシリーズ。